クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「…うん。凄いね…。」


これからはいつでも逢和君に触れるんだ。

普通の恋人同士だったら当たり前のことでも

私たちにとってはすっごく尊い。

胸にじわ、と熱いものが広がって

幸せだなぁって、笑顔が溢れた。



「……こうしちゃおれん。」



私の顔を見た逢和君がハッと体を離した。


「教室行こう。」

「へ」

「寧々が誰のもんかちゃんとみんなに言っとかないと…!」


至極真面目な顔で言った逢和君は、私の手を引いて教室の方へと歩き始めた。



「よっしゃー、ようやく寧々推しの男どもに正々堂々牽制できる!」

「え?あっ、待って逢和君…!」

「ん?」


私が手を引っ張ると、逢和君は足を止めて振り返る。


「えっと…教室行くのはまだいいんじゃないかな…?」
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