クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「俺は寧々を好きなんだよ。
寧々には『誠意を持って応える義務がある』
…でしょ?」


…まさかちょっと前の自分の言葉がそのまま返ってくるとは思いませんで。





「ねぇ。誰?」





逢和君は私の頬を両手で包んで、恥ずかしさから顔を背ける私を自分の方に向けさせる。


「わ、分かってるでしょ…?」

「分かんない。言って?」

「っ…、」


懇願するように逢和君を見るけど、毛頭許してくれる気はなさそうで。


「ほら。早くしないと授業始まっちゃうよ。…まぁ、このままサボるのもありだけど」

そう笑う逢和君に観念して、私は大きく深呼吸する。


「……あ……っ、」

「…あ?」


ドキドキしすぎて訳わからなくなってる私は、声帯がきゅっと閉まっちゃってうまく声が出せない。


「…ぁ…、っ、あおく……、逢和君…っ」


逢和君は目を細めて、静かに私を見下ろしてる。


「…ん?」

「逢和君、です…っ」

「俺が、なに?」



…ずるい。

意地悪な顔も、かっこいいなんて。



「ぁ、逢和君が…っ、す、す、」



恥ずかしすぎて目尻に涙が浮かんできて、逢和君の顔を見れなくなって目をギュッと閉じた。




「ッ、好きです…!」



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