クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
さっき出し切ったと思った涙が不意打ちでボロッと溢れて、とっさに廊下に走り出した。

「…ッハァ、」

呼吸が変に乱れる。


今、1番会いたくなかった、近海君

多分近海君にとっても、私は、会いたくない人

私、近海君に何をしちゃったんだろう…?

ごめんなさい、ごめんなさい…っ。




「待って!!」

「!?」


すぐ後ろで近海君の声がして、手首をグッと掴まれた私はバランスを崩した。

反動で後ろによろけてしまってドンッと近海君にぶつかる。


「「!」」


瞬時に近海君の胸や腕の逞しさを感じて、

顔に熱が集中する。

息を吸ったら近海君の爽やかないい匂いが香って、

心臓が飛び跳ねた。
< 24 / 204 >

この作品をシェア

pagetop