クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「ぁ…ご、めんなさ…」

「は……クシュン!」

「!」

「クシュン!クシュン!」

近海君が顔を背けてくしゃみをする。

「あ、えっと」

「ちょっとしゃべん……クシュン!クシュン!」

近海君は何か言いたそうにしているけど、くしゃみが邪魔して喋れない。

「え?え?」

「クシュン…ッ、ゼェ、ゼェ…」

今度はすごく息苦しそうに呼吸を乱して、近海君は私の手を離して崩れ落ちた。

「近海君…!?」

「…ゼェ、ゼェ…クシュン!」

近海君は相変わらず私に何か言いたそうな目をしてる。


…おかしい。

なんか、絶対おかしい。

近海君、すごい汗。

顔も耳まで真っ赤だ。

項垂れる首筋に、湿疹みたいなものが見える。

どうしよう…病院?救急車?

先生呼ばなきゃ…!

「ぅ…クシュン!はぁ、はぁ、…ン、待っ…て…!」

職員室に行こうとした私に近海君が言って、
立ち止まる私を確認すると、近海君は後退りしながらよろよろと教室の中に入った。
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