クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
その背中を追いかけてそっと中を覗いてみると、近海君は窓際でペットボトルのお水をゴクゴクと飲み干している。

「ン……ハァ、ハァ、」

外の空気を吸って、ティッシュで鼻を押さえながら懸命に息を整えてる。

しばらくしてようやく落ち着いたらしい近海君に、私は恐る恐る声をかけてみる。

「近海君、だいじょ…」

「喋んないで」

「!」

近海君は背中を向けたままで、またひとつくしゃみをした。

…声も聞きたくないってこと…?

また泣きそうになった私は、この場を離れようと後退りした。


「待って」

「!」

「行かないで。そこにいて。……でも、喋んないで。ごめん。」


近海君がまだ赤い顔で私をまっすぐ見て、切ない表情をする。

意味がわからなくて、私は呆然とその場に立ち尽くす。

そこにいて、でも喋んないでって…どういう意味だろう?

どうして?

どうしたらいいのかな…
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