クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
私、近海君に嫌われたと思ってたけど…違うのかな?

私は鞄からペンを取り出して近海君の達筆な字の下に小さく【ちょっと悲しいことがあって】と書き足すと、それを折り直して振りかぶる。


えいっ。

スコンッ。

「あたっ」

紙飛行機がくるっと回って私の頭に直撃した。

「クシュッ……あはは!下手過ぎんだろ」

近海君がまた笑った。

うぅ…

可愛い笑顔が見れるのは嬉しいけど恥ずかしい。

顔がどんどん熱くなっていく。

「もっと力抜いて、スーッと飛ばすんだよ。」

私は近海君の言葉にうんうんと頷いて、言われた通りにしてみる。
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