クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
すると紙飛行機がきれいな放物線を描いて近海君の胸に飛び込んでいく。

「ナイッシュー」

近海君がはにかんでそう言って、嬉しくなって私もふにゃっと笑った。

「……う、わー。」

近海君が少し驚いた顔でそう言って、外の方を向いた。

…?

私、なんか変だったかな…

近海君はフー、と息をついてから紙飛行機を拡げて無言で読むと、またサラサラと書き込んで私に飛ばした。

今度はなんとかキャッチするも、力むあまり飛行機がぐしゃっと潰れる。

近海君が「要練習だなー」とポソッと言って、自分の運動神経の悪さを呪いながら紙飛行機を開いた。


【俺のせい?】


「…!」


紙飛行機を見て驚く私を、近海君はまっすぐ見てる。


どうしよう…

なんて返そう?


私がペンを持ったままかたまってると、


「俺が避けてるから悲しくなったの?」

近海君が、何の飾り気もない生の声を発した。
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