クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
近海君が、私に、アレルギー?

え…?どういうこと?

私にだけってこと…?

人に対してアレルギーって聞いたことないよ!?

…は!

もしかして生理的に無理っていう…!?

やっぱり私クサいにおい発しちゃってる!?


「匂いがきついとか全然そういうのじゃない。」


私の頭の中を読んだみたいな近海君の言葉にドキッとする。


「細流さんが嫌いとかいうのでもない。
……むしろずっと話したかった。細流さんと。」

「…!」


近海君が、私と…?


近海君のまっすぐな視線の中に、どうしようもない切なさみたいなものが混ざって見える。

近海君はひとつため息をつくと、窓枠に腰掛けて頭をかいた。

「初めて症状が出たのは、入学式で細流さんとすれ違った時。
最初は花粉症かなんかかと思ったけど、
なんでか細流さんが近くにいる時だけくしゃみ止まんねーし蕁麻疹出るし…
病院行っても何のアレルギーもない健康体だって言われるし…。
俺も訳わかんないんだ。」

近海君が困ったように笑った。


え、

えぇ…?


私は全身の力が抜けて、その場にペタン、と座り込んだ。
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