クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
そんな…

そんなこと、本当にあるの…?

でも、近海君が嘘つくとは思えない。

思い返してみれば、今日の班決めや席替えの時に感じた『なんで』が腑に落ちる。

…と同時に、

『近海君が自分にアレルギーを持っている』という衝撃事実に、クラクラとめまいがする。


私はこれからも近海君に近付けないってこと…?





「………寧々」



突然、近海君の声で自分の名前が聞こえた。



「寧々って、呼んでいい?」



近海君が澄んだ瞳で私に言って、心臓が飛び跳ねる。



「てか、呼ぶわ。」



近海君が悪戯っぽく笑って、ドキドキが加速していく。



え、え、なんで、急に?

そんなの、そんなのいいにきまってるけど!

私は熱くなる頬に手を添えて、コクコクと頷いた。


「俺のことも逢和(アオ)って呼んで」

「…!」


下の名前を呼び捨て!?ハードル高いよ!!

あからさまにアワアワする私に、片眉をあげて悩む仕草をする近海君。


「んー…じゃあ、逢和君。」

「…」


逢和、君…それならいける…かな


私がコクンと頷くと逢和君が笑って「まぁ、この紙の上での話だけどね」と紙飛行機を揺らした。
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