クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
◇蓮戸山ロープウェイ
「せ、細流さんって、ハムスターみたいだよね。」
「へ」
雄大な山々と、その奥に見える街、海、空。
時刻は14時8分、班の自由行動の時間。
私たちの班は今、ロープウェイの小さな箱に収まってスルスルと山の上を登っている。
みんな流れゆく外の景色に、さっきいた場所がどこだとか、野生の鹿が見えたとか、あーでもないこーでもないと話に夢中だ。
そんな中で聞こえた木村君のちょっとくぐもった声の『ハムスター』という単語に、
私はオレンジに染まる1年6組へと一気にタイムスリップした。
「あ、ごめん、悪い意味じゃなくて!ほら、あの、細流さんってお弁当食べるときいつも一生懸命口の中にご飯詰め込んで可愛いなって…あっ、…ごめんッ」
「…」
なんでか顔の赤い木村君の口から紡がれた『可愛い』にドキッとした。
…なぜなら、
『ハムスターかってくらいほっぺ膨らませてさ』
そう言って堪えきれずに笑う逢和君と重なっちゃって
もしかして逢和君も、可愛いって思ってくれたのかな?とか、
とかとか、思っちゃって。
「へ」
雄大な山々と、その奥に見える街、海、空。
時刻は14時8分、班の自由行動の時間。
私たちの班は今、ロープウェイの小さな箱に収まってスルスルと山の上を登っている。
みんな流れゆく外の景色に、さっきいた場所がどこだとか、野生の鹿が見えたとか、あーでもないこーでもないと話に夢中だ。
そんな中で聞こえた木村君のちょっとくぐもった声の『ハムスター』という単語に、
私はオレンジに染まる1年6組へと一気にタイムスリップした。
「あ、ごめん、悪い意味じゃなくて!ほら、あの、細流さんってお弁当食べるときいつも一生懸命口の中にご飯詰め込んで可愛いなって…あっ、…ごめんッ」
「…」
なんでか顔の赤い木村君の口から紡がれた『可愛い』にドキッとした。
…なぜなら、
『ハムスターかってくらいほっぺ膨らませてさ』
そう言って堪えきれずに笑う逢和君と重なっちゃって
もしかして逢和君も、可愛いって思ってくれたのかな?とか、
とかとか、思っちゃって。