クールなあおくんに近づきたい！〜あと10センチ、きみに届け〜

…なんか、

なんか、

なんか…！


私は喉の奥が詰まるように苦しくなって、また空を見上げた。


…逢和君が、遠く感じる。

あの星達よりも遠くに感じる。

ビーチで心の距離が近くなったとか浮かれていた私、バカ。バカ、バカ…！



「近海って料理できるんだね。意外。」

察した花乃ちゃんが私の背中を優しくさすりながら興味なさげに呟く。

「あー、チカの家は母ちゃん帰りが遅いからチカがごはん作ってんだってよ。俺も食ったことあるけど、めちゃくちゃうまかった。」

「へー」



知らなかった…！

家族のご飯作ってるなんて凄いなぁ。

逢和君、バイトもしてご飯も、なんて…偉いなぁ。