クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「まぁ私も今日の近海にはスカッとしたわ。誰も何も言えなくて、岸辺の独壇場だったもんね。」

私はうんうんと大きく首を縦に振って、花乃ちゃんに同意する。

化学教師の岸辺先生は気弱な生徒をターゲットにして虐めるのが大好きで、誰もがそんな岸辺先生を快く思ってなかった。

ほかの先生に訴えてもまともに取り合ってくれず、反抗すると返り討ちにあうので誰も歯向かえなかった。

そんな中での、『バカなんですか?』

くぅ…!かっこよかったぁ…!

「厳しい検査の目をかいくぐってよくスマホ持ち込んだよね。
近海って肝据わってるっていうか…悪く言えば怖いもの知らずっていうか。
入学してすぐ、3年生の教室に乗り込んでって友達がカツアゲされたもの奪い返しに行ったでしょ?」

「うんうん。それで先輩達にもファンが増えたんだよね」

「今日の一件でまた増えるかもね」

「花乃ちゃんもそう思う?」

「そりゃあそうでしょ」

花乃ちゃんが私の後ろに視線を送る。
< 6 / 204 >

この作品をシェア

pagetop