クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
私をまっすぐ見ながら、こちらに歩いてくる。


え…

嘘!?


一歩ずつ、一歩ずつ

ギュッと拳を力強く握って、着実に足を進めてくる。

私は距離を取らなくちゃと後ずさるけど、それよりも早いスピードで逢和君は近づいてくる。


逢和君…!?


私の背中が木に当たって追い詰められて、私との距離があと3歩ぐらいになった時、逢和君が手を伸ばした。


ふわ、と、逢和君が香った。



「…クシュン!」



街灯がくしゃみした逢和君を照らして、


「…!」


そして、
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