クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜







ポク、ポク、ポク。


頭の中で、いつかの木魚が鳴る。




「へ…?」

「クシュン!…だから、寧々アレルギー克服のために、対策する、委員会。」

「…」


委員、会…?

いまいちしっくりこない私に逢和君が鼻を啜りながら言う。


「俺は寧々に触りたい。寧々も俺に触りたい。だから探そう。アレルギーをなくす方法。一緒に。」


それはそれは、とんでもなく爽やかで、可愛くて、無敵な笑顔で。


「…」


逢和君は、何を言ってるんだろう。


こんな、聞いたこともないよくわからないアレルギー相手にどうしてそんな前向きになれるんだろう。


…不思議。

逢和君の極上の笑顔を見てたら

できないことなんかない気がしてくる。

逢和君となら、何か変えられるような気がする。





…探したい。

逢和君と一緒に。




うん。

うん…!




私は大きく首を縦に振って、真剣な顔で手をあげて大きな丸を作った。

それを見てまた逢和君が笑う。




…探そう。全力で。

その笑顔を間近で見られる方法





「さて、そうと決まれば…」と逢和君が何か言おうとした時、

私の背後から声がした。



「委員長。それ、僕も入会します。」
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