クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
振り返ると、

ニッコリと微笑んで片手を挙げる、男の子。




逢和君が言った。



「いつから聞いてたんだよ…

…カベ。」



驚く私たちを見て、カベ君はこの上なく嬉しそうに笑う。

「最初っから。」

「「…」」


…て、ことは、


「アレルギーねぇ…ずっとなんか変だと思ってたんだ。」

カベ君は私の隣に立つと、私の頭をよしよし、と撫でた。

「あ!こら!触んじゃねぇ!!」

逢和君が指さして声を荒らげるのを、カベ君はあはは、とかわして向き直る。

「信じられない話だけど…繋がったわ。
事情は大体理解した。俺も入るよ、寧々アレルギー対策委員会。」 

「え…えぇ…?」

急展開についていけない私と逢和君が呆然と顔を見合わせた時、

「じゃあ私もー」
< 90 / 204 >

この作品をシェア

pagetop