クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「勝手にうろちょろすんなっつったろ。」



…わぁ。

双子ちゃんのお父さん、すっごくイケメン。

芸能人みたいだぁ。


お父さんが双子ちゃんをヒョイっと両脇に抱えて「すいません。なんか失礼なことなかったですか」と声をかけてくれる。

「あっ、いえ、なんにも!」

「あのね、お姉ちゃん、おとこを待ってるんだってー!」

女の子が無邪気に笑いながら無表情のお父さんに報告する。

「…」

「あ…あはは…」

苦笑いするしかできない私に、お父さんが「…ほんとすいません」と頭を下げた。

慌てて「あ、と、とんでもないです!」と私も頭を下げる。


「帰るぞ」

「「えー!やだぁー!」」

両脇の2人がハモった。

「母さんがごはん作って待ってる。ほら、バイバイして。」

ごはんというワードに目を輝かせた2人が私に向かって満面の笑みで「「バイバーイ!」」と両手を振ってくれる。

それがあまりにもかわいくて、私も顔を緩めて両手を振った。

きっとお母さんのご飯、おいしいんだろうなぁ。







そこで、手に持っていたスマホが振動した。
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