幽霊。〘透明になった日〙
どうやら今年の春に実際に起こった出来事の夢を見ていたらしい。あの日の事を夢として思い出すほど、私の頭の中は未だに彼のことでいっぱいのようだ。

「あの絵どうなったんだろ」

染谷くんは私に1番に見せてあげると言ってくれたラムネ瓶の絵は、キャンバスに描かれることはなかったのだろうか。

ふと時計を見ると普段であれば家を出ている時間だった。

「嘘でしょ!やばい!」

このまま制服に着替え、下の階に行き髪型を整えた。

「お母さん、起こしてよ…」

「何度もおこしたじゃない。」

「もっと強引に起こしてよ〜はぁ〜…」

「そんなこと言って 、いつも全然起きないじゃない。」
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