平民少女は、知らない貴族に愛される
1話
皆さんはじめまして。エイカと言います。
そこら辺にいる平民です。
他の人と何も変わりません。
強いて言うなら、魔力持ちっていうところだけでしょうか。
さて、この度私は学園に入学することになりました。
普通、平民は学園に入学できません。
なぜこうなったのかと言うと、私が魔力持ちだからです。
『魔力のコントロールが出来ないと家族を傷つけてしまうかもしれないよ』
そう言われたので入学しました。
今日はその学園の入学式です。
「いってらっしゃい」
「うん。パパ、ママありがとう!行ってきます」
学園から出された馬車に乗り、揺られること50分ぐらい。
ようやく着きました。
学園には凄く綺麗な令嬢さん、かっこいい男の人が沢山います。
私はと言うと、しわしわな手、傷んだ髪。
すごく場違いです。
そんな場違い感を味わいながら学園の門をくぐると
「キャーーーー!」
悲鳴?黄色い歓声?が聞こえてきました。
何事だろうと声がした方を見ると、他の男の人よりかっこいい男の人がいました。
その男の人は色んな人に手を振っています。
「わあーお」
周りの人の中には倒れてる人もいました。
倒れる人の気持ちも分かります。
だって王子ですか?っていうくらいの美貌、ファンサとは言え手を振ってくれる優しさ、チラッと見える八重歯。
どの部分をとっても尊いのですから。
その時王子みたいな人が私を見ました。
私を見た途端その人は目を丸くしました。
でもすぐに逸らされました。
私は何かしたでしょうか。分かりませんが、これから関わることはないと思うので別にどうでもいいですね。
そう思いながら私は自分の教室へ向かいました。
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