ドーナッてるの?
第一章 ナムル862だ
娘の誕生日①
「今日は帰りに誕生日プレゼントとケーキを買って帰るよ」
僕は妻にそう言うと仕事へと向かった。
今日は娘の誕生日なのだ。
朝からマナミは元気だった。
僕がお誕生日おめでとうと言うと照れながら微笑んでいた。
「プレゼントとケーキはいつ買うの?まだ買わないの?」
「僕が仕事から帰って来る時に買ってくるよ」
「それじゃあ遅いよー」
よっぽど自分の誕生日が嬉しいのだろう。
妻はマナミに幼稚園に行く準備をするよう伝えた。
マナミはテレビアニメの主題歌か何かを歌いながら着替えはじめた。
その日は仕事も比較的落ち着いていた。
午前中は商談が2件、午後からはOA機器の設置が3件と夜までには帰れそうだった。
夕方営業先から納品を早めてもらえないかとの連絡があった。
帰りが遅くなることはわかっていたが、長年取引きをしている営業先ということもあり行かないわけにもいかなかった。
営業先へ行くと事務の女の子が案内してくれた。
夕方を過ぎようとしていたが事務所内にはまだ多くの社員がいた。
部長が急で申し訳ないと近寄って来た。
「急遽明後日大きな契約がとれたもんでね。この有様だよ」
社員はデータ入力や資料作成に追われていた。
部長は少し一服しないかと僕をベランダへ連れて行った。
廊下の自動販売機でコーヒーを2本買うと1本を僕に渡した。
部長は缶コーヒーを開けると一気に半分まで飲み大きく息を吐いた。
煙草に火をつけ肺の奥まで煙を入れた。
「本当にすまないね。この会社と君の付き合いが長いとは言え、急遽早めてしまったことは本当に申し訳ないと思っている。この埋め合わせは必ずさせてもらうよ」
部長はそう言うとまた煙草を深く吸い、煙を吐いた。
「仕事が忙しいというのは会社にとって良いことじゃないですか。埋め合わせなんて気にしないでください。僕も時間がない時はないと言います」
部長は無言のまま微笑み、僕らは仕事へと戻った。
僕は妻にそう言うと仕事へと向かった。
今日は娘の誕生日なのだ。
朝からマナミは元気だった。
僕がお誕生日おめでとうと言うと照れながら微笑んでいた。
「プレゼントとケーキはいつ買うの?まだ買わないの?」
「僕が仕事から帰って来る時に買ってくるよ」
「それじゃあ遅いよー」
よっぽど自分の誕生日が嬉しいのだろう。
妻はマナミに幼稚園に行く準備をするよう伝えた。
マナミはテレビアニメの主題歌か何かを歌いながら着替えはじめた。
その日は仕事も比較的落ち着いていた。
午前中は商談が2件、午後からはOA機器の設置が3件と夜までには帰れそうだった。
夕方営業先から納品を早めてもらえないかとの連絡があった。
帰りが遅くなることはわかっていたが、長年取引きをしている営業先ということもあり行かないわけにもいかなかった。
営業先へ行くと事務の女の子が案内してくれた。
夕方を過ぎようとしていたが事務所内にはまだ多くの社員がいた。
部長が急で申し訳ないと近寄って来た。
「急遽明後日大きな契約がとれたもんでね。この有様だよ」
社員はデータ入力や資料作成に追われていた。
部長は少し一服しないかと僕をベランダへ連れて行った。
廊下の自動販売機でコーヒーを2本買うと1本を僕に渡した。
部長は缶コーヒーを開けると一気に半分まで飲み大きく息を吐いた。
煙草に火をつけ肺の奥まで煙を入れた。
「本当にすまないね。この会社と君の付き合いが長いとは言え、急遽早めてしまったことは本当に申し訳ないと思っている。この埋め合わせは必ずさせてもらうよ」
部長はそう言うとまた煙草を深く吸い、煙を吐いた。
「仕事が忙しいというのは会社にとって良いことじゃないですか。埋め合わせなんて気にしないでください。僕も時間がない時はないと言います」
部長は無言のまま微笑み、僕らは仕事へと戻った。
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