ドーナッてるの?
第二章 オタマジャクシの親はカエル

女の子は賢い④

その後も彼女にクレープ屋や本屋に連れて行かれた。

今までに僕はガールフレンドの買い物に付き合うことはあまりなかったが、きっと世の男性はこの大変さを体験しているのだろう。

犬が見たいとペットショップに連れて行かれ可愛いアクセサリーが見たいと雑貨屋に連れて行かれた。

二時間ほど連れ回され彼女は疲れたと言い帰ることにした。

帰りの道中で彼女の好きなケーキも買った。

家に帰ると妻が焼肉の準備をして待っていた。

おかえりなさい。

妻はそう言うとマナミの満足気な顔を見るなり、「私を一緒に連れて行かなかった理由がわかったでしょ?この子はいったい誰に似たのかしら?」と呟いた。

きっと君の子供の頃に似たんだよ。

僕がそう言うと妻はどうかしら?と言い昼食の準備を始めた。


マナミは肉ばかりを食べていた。

妻が野菜も食べるよう言うと渋々野菜も食べた。

マナミは野菜があまり好きではなかった。

野菜を食べないとお母さんみたいに美人になれないよと言ったが、二人とも僕の話を無視した。

苦手な野菜を歯を食いしばりながら一生懸命に食べるマナミの顔も可愛らしかった。

だから僕はマナミに甘いのかもしれない。

お腹がいっぱいになるとケーキを取り出した。

5本のローソクに火をつけバースデーソングを歌い終わるとマナミは勢いよく火を吹き消した。

熊の形をしたチョコレートケーキだった。

午前中にクレープを食べたがマナミはケーキも残さず食べた。

クレープを食べたことは妻には内緒にした。

ケーキを食べ終えるとマナミはプレゼントのオモチャで遊び始めた。

妻が洗い物をしている間、僕は冷蔵庫から缶ビールを取り出して飲んだ。

洗い物を終えた妻に僕もビールをすすめて二人で飲みながら喜ぶマナミを眺めていた。
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