その溺愛、危険度99%につき
44%
雨の日が続いている11月。
朝、揺れる電車の中、窓から降り続く雨を見ながらため息を吐く私。
「気分悪い?」
「あー……いや、そういうのじゃなくて。気圧?のせいかな。雨の日って頭痛くなるんだよね」
「分かった。待ってて、アイツらどかしてくる」
「ちょっ、それなにもわかってないやつ……!」
座っている乗客のところへと行こうとする朔の腕を慌てて掴んだ。
アンタ、今何しようとしたのかな?
もしかしなくても、今座ってる他の人を無理やりどかそうとしてたよね??
「立ったままでいいよっ。こんなのどーってことないし。お願いだから大人しくしてて」
他の人に危害を加えないように、手すりの方へと朔を引っ張る。
「本当に大丈夫?」