その溺愛、危険度99%につき
「知らない奴についていかないでね」
「私のこと何才だと思ってるの……って、やばいよ、降りる駅通り過ぎてるじゃんっ」
電車のドアから、学校の最寄駅の看板が通り過ぎていくのが見える。
あぁもうっ、朔に気を取られて降り損なった!
「本当だ。澪と2人の時間が増えて嬉しいよ」
ニコニコ笑うだけの朔。
その反応……さてはアンタ気づいてたね?
まったく……。
「この時間だと遅刻確定だけど、優等生がそんなことしていいわけ?」
次の駅で降りて、朔と2人で反対方面のホームに並ぶ。
「別にいいよ。澪と一緒にいる時間の方が大切だから」
「……あっそ」
いまだに掴めないな、朔のこと。
はぁ、と息を吐いてホームから空を見上げた。