その溺愛、危険度99%につき
「香山って……だれだっけ?」
「香山澪だよ。ほら、中学の時うちらに楯突いた……」
「あぁ、アイツね!結局逃げ出した弱虫ちゃんだ」
わざと聞こえるように言ってるのかな。
そんなこと一々言わなくても十分分かってるのに。
「澪、こいつらだれ」
「……」
「……澪?」
何も言わずに、ただ朔の腕を力いっぱい掴んだ。
そんな私に、朔が眉を寄せたのがわかる。
「なに、アンタ彼氏できたの?高校変えて、彼氏も作って、新しく楽しい学校生活送ろうとしてるんだ?」
「──何それ、ウケる。」
その声にビクッと肩が揺れて、何も言えなくて、本当、情けなくなってくる。
……アンタにも、会いたくなかった。