その溺愛、危険度99%につき
「……え」
静かな声。
隣にいる朔を見上げると、優しい顔で笑ってた。
「こんなクソみたいな奴らほっといて早く行こ」
腕を掴んでいる私の手をとって、この場を離れようとする朔。
「ちょっと!また逃げんのかよ……っ!?」
その瞬間、ホームにあったゴミ箱が宙を飛んだ。
ペットボトルと缶をまき散らしながら、大きな音を立てて転がっていく。
転がった先にはあの子達がいて、びっくりしたように目を丸くしていた。
……あと少し落下地点がズレていたら、あの子達にぶつかってた……
「澪に用があるなら俺が聞くよ」
そう言って笑う朔の顔はひどく冷たくて。
さっき私に見せてくれた笑顔とは正反対だった。