その溺愛、危険度99%につき

ジトッと朔を睨む。



「ふざけてるでしょ」
「まさか。澪は可愛い。これ一番大事」

「……」

「正義感あって困ってる奴放っておけなくて、良いことしてんのに自信なくして暗い顔してんの、いじらしくて可愛いよ」



プシューっと音を立てて電車のドアが開く。
先に乗り込む朔の背中を目で追った。



「そのままでいいよ。俺、そのままの澪が好き」



私の手を取って、ぐんっと引っ張り上げてくれた朔。
ドアがしまって、電車が動き出す。


「このまま澪と学校サボりたいなー」なんて、変なことを言う朔に、私は瞬きを繰り返す。

……なんか、さっき、サラッととんでもないこと言われたような気がしたんだけど……?
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