その溺愛、危険度99%につき

するりと髪に指をとおして、朔は私の頬を撫でた。



「じゃあまたあとで」



手の温もりが離れて、朔が教室から出ていく。

いなくなったのを確認してから、無意識にぎゅっと握りしめていた手のひらを緩めた。



「ひゃ〜、すごいね澪ちゃん。私だったらあんなにカッコいい人にそんなことされたらドキドキして顔真っ赤になりそう……」



朔が出て行った扉の方を見ながら、奈子はそう言った。
ドキドキして顔が真っ赤に……か……。



「……私、全然すごくないよ。正直言うと、いまやばい」



奈子の言う通り、痛いくらいに、ドキドキしてるの。心臓が。



「え……って、澪ちゃんどうしたのっ、顔真っ赤だよ……!?」
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