その溺愛、危険度99%につき
とりあえず朔にメッセージ送ろ。
私を待たせるなんて許さん……。
女子トイレから出て、廊下を歩きながらスマホを開く。
タイミング良く朔から電話がかかってきたのはその時だった。
……こうやって電話がかかってくることなんて、今までも何度もあったし、
その度に私は何も考えずに通話してたはずなのに。
「なんでこんなに緊張すんのよ、もうー……」
息を大きく吸って、吐いた。
思い切って通話ボタンを押す。
「もしもし──」
《今どこ?》
電話口から、切羽詰まったような朔の声が聞こえた。
「えっ、ろ、廊下だけど……アンタこそどこにいるの?迎えにくるって言ってたじゃん」
私の言葉に、朔が重く息を吐いたのがわかった。
なに?どうしたの……?