その溺愛、危険度99%につき

……この人、前にも見たような……それに、いつから私の後ろにいたの?


直感的にやばいと思って急いで離れようとした時。



「っ、」



ゆっくりとその人から笑顔が消えた。

何も言われてないしされていないのに、体が固まったように動かない。
ただその真っ暗な瞳に、呑み込まれてしまいそうな気がした。


……怖い……。

朔もヤバい奴だけど、こんな風に思うことはなかった。
たぶん、朔の悪意が私に向いたことがなかったから。


この人の視線からは、悪意しか伝わってこない。

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