その溺愛、危険度99%につき
「そんなに怯えんなよ。こんなとこで何もしねぇよ」
「それ、って……」
学校を出たら、何かされるかもしれないってこと?
私の考えていることが分かったのか、その人はスッと目を細めて笑った。
笑った時に、彼の舌にピアスがついているのが見えた。
「とりあえず来いよ。おまえ担ぐのはだるいから」
そう言いながら私から離れて、廊下の先へと目を向ける。
来いっていったって……何されるかも分からないのに、素直に言うことなんて聞けるわけない。
そもそもこの人が怖くて体が動かないし……。
その場に立ちすくむ私に、学ランの男は面倒そうに息を吐いた。
「……思ったより早かったな」
廊下の先、学ランの肩越しに、朔がいるのが見えた。