その溺愛、危険度99%につき
……いや、ていうか、なんでそんなボロボロなの。
朔の制服は砂埃で少し汚れていて、顔には擦り傷ができている。
「会いたかったよ、朔」
「……そう言うんならアイツら寄越す必要なかっただろ。来るんならテメェだけで来いよ」
2人の口振りから、知り合い同士なんだということは分かった。
ただ、いつも余裕たっぷりの朔が、今はどこか焦っているようで。
そんな朔の様子に、なぜか不安に思ってしまう。
「まさかそんなボロボロになるとは思わなかったんだよ。前のおまえならあんな奴ら相手に怪我なんてしなかったろ。怖いよなぁ。たった1年ちょいでこんなに変わっちゃうなんて」
朔の擦り傷を見ながら、学ランの男は笑いながらそう言った。