その溺愛、危険度99%につき

「んなことはどうでもいいんだよ。とにかく澪から離れろ」

「そんなにこの女が大切?もし俺がコイツに手ぇ出したら、おまえどうする?」



その瞬間、その場の空気が、ビリビリと震えたような気がした。

夜の街で見た朔と、全く同じだった。
なんならそれよりもさらに殺気立っていて、もっと近くであの朔と対峙したら、恐怖で逃げ出すことも出来ないくらいの鋭さを纏っていた。



「……手足引きちぎってでも自分のもとに置いておきたいって思うほど、誰かを想ったことはあるか」

「はは、なにそれ」


「少しでも澪に触れてみろ。(ショウ)、テメェをぶっ潰してやる」



頭の中が、もうぐちゃぐちゃだった。

先生を呼んできたほうがいいのか、とか
それよりもまずは朔をどうにかしたほうがいいかもしれない、とか

< 134 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop