その溺愛、危険度99%につき
勢い余って2人して倒れ込んだ先は固い床。
さっき噛まれた首がずっと痛くて仕方なかったけど、そんなのどうでも良かった。
「ごめん、大丈夫……っ!?」
朔のパンチ、受けてないよね!!?
私の下敷きになってしまっている学ラン男の顔には、傷一つない。
そのことに安心して、ホッと息を吐く。
「──は?」
心底不快そうに顔を歪ませた男の低い声。
悪意100%の視線に、ビクッと肩が揺れた。
「ちょっと!?あなた達何してるの!」
「……チッ、どけ」
見回りの先生の声に舌打ちをした男は、
乱暴に私を押しのけて、廊下の窓を開けた。
「またな、朔」
「ざけんな待てよっ!!」
追いかけようとする朔の足を慌てて掴む。
ふざけないで欲しいのはこっちのセリフだ。
今すぐ、私にもわかるように説明してよ。