その溺愛、危険度99%につき

呆れたような顔をして光輝が箸で指すのは、後ろから私に抱きついたままの朔で。


「し、仕方ないじゃんっ……離れてくれないんだよ!」


フローリングの上に座る私を後ろから囲うようにして抱きつく朔は、私が何を言ってもさっきからずっと無言。
離れようとしたらさらにキツく抱きしめてくるから、とりあえずそのままにしておいているけれど。



「離れてくれない、ねぇ……俺からしたらおまえも嫌がってるようには見えねぇけど」

「は、はぁっ!?何言ってんのっ、ばか!」



ズズ、とスープを飲む光輝にむぅっと頬を膨らます。

……なんて、否定したはいいけど、正直、気を張っていないと頭の中がすぐに朔のことでいっぱいになってしまうくらいには、余裕がない。

余裕がないだけで、嫌、ではないのが、悔しい……。



「……あの、急に来てごめん。体、しんどくない?」
「は。今さらだな。どこもかしこもいってぇよ」
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