その溺愛、危険度99%につき
……あれ?でもちょっと待って。
だったらどうして今になって朔に会いにきたの?
光輝の顔も知っていたなら、最初から光輝に聞けばよかったのに……。
私の考えていることが分かったのか、光輝は壁に背中を預けて言った。
「アイツ、朔のことしか興味ねぇから。俺のことは覚えてなかったんだよ。昨日一発殴った時にやっと思い出してたわ。マジでムカつく」
「……光輝ってどのくらい強いの?」
「はぁ?ざけんな。そこそこやるわ」
「おまえ、中学の時髪染めてなかったろ。覚えててもわかんねぇよ」
いきなり話に入ってきた朔に、ひゅっと息が止まりかけた。
額を私の肩に押し付けたまま顔をあげようとしないから、どんな表情をしているのかはわからない。
「ったく、落ち込んでんのかしらねぇけど、目立つようなことしたおまえが悪いんだろ」
「してない。勝手に動画撮られて勝手に騒がれただけ」