その溺愛、危険度99%につき

不良、もうやめたんでしょ。
だから今優等生やってるんでしょ。

私じゃなくて、もっと自分のこと考えなよ。



「前にも言ったけど、俺の人生に澪がいなかったら意味がない」



そう言って、ぎゅうっとキツく抱きしめてくる朔。

喧嘩に慣れているし、何かあればすぐ暴力を振おうとするし、倫理観バグってるし。
ろくでもない奴ってわかっているのに……どうしてこんなに、惹かれるんだろう。

ブレザーが少し汚れている。
顔の傷は、大丈夫なのかな。



「アンタは、どうしてそんなにボロボロになってるの」
「……」

「朔」

「……6限の途中、晶が校舎裏に行くのが窓から見えたから」



授業中に教室を飛び出した朔の姿が頭の中に浮かんだ。

なんとなくわかったよ。
アンタがなにを考えていたのか。



「そこにいたのは知らない奴らだったけど」
「俺の高校の奴らだろ。晶が焚き付けて寄越したんだよ。まんまと罠にハマりやがって」
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