その溺愛、危険度99%につき
やっぱり、怖かったから。
「澪」
ローファーを履いたところで名前を呼ばれた。
振り向くと、見送りに来たのか壁にもたれた光輝が私のことを見ていた。
「晶におまえのことを聞かれたけど、俺はなにも話してない」
「……うん」
「なんかあったら呼べ。俺にできることならなんでもやってやる」
「あは……どうせ貸し付けるつもりなんでしょ」
「当たり前だろ」
そう言って口角をあげる光輝に、思わず笑ってしまう。
「色々ありがとうね。体お大事に」
「おまえもな。首んとこ、痛かったんじゃねぇの。……ごめんな」
その言葉に一瞬目を見開いた。
隠してたつもりだったけど、お見通しだったみたい。
「なんで光輝が謝んのよ。朔に頼まれてあの人のこと見張ってただけでしょ」