その溺愛、危険度99%につき

色々考えてくれてたんだよね。私のことを守ろうとたくさん動いてくれてたんだよね。
私のために、顔に傷つけてくれたんだよね。



「ありがとう。でももう、無理はしないで」

「ん……」



いつもの朔とは正反対。
すっかり大人しくなっちゃったな。


「じゃ、ちょっと顔こっち向けて。絆創膏はってあげる」
「……こんなの唾つけとば治るよ」

「私のためにできた傷なんでしょう?私がそうしたいの。」


ポーチから絆創膏を数枚取り出す。
顔、擦り傷になってる……改めて見るとやっぱり痛そう。

……大勢で1人を相手にするなんて、やり方がずるいよ。
今回はなんとか無事だったから良かったけど……擦り傷だけで終わらなかった未来だってあったはず。


ぐっ、と絆創膏を持つ手に力が入った。

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