その溺愛、危険度99%につき

もしかしたら、ある意味特別に思ってたのかな?

……まぁどちらにせよ、朔と光輝に怪我を負わせたんだから、謝ってもらわないと私は許せない。
"ダメでしょ!?"って、注意というか、そういうことした方がいいと思う。



「──おい、無視してんじゃねぇぞ、七原」



ガシャン、と何かが割れた音と一緒に聞こえてきた名前。
……いま、七原っていった?


路地裏の奥の方。
何人かの人影が見える。

座り込んでいる人と、それを囲む人たち。
暗くてよく見えないけど、あれってもしかして……。



「テメェなに無傷で戻ってきてんだよ。こっちはおまえのせいで散々な目にあったっていうのに」



物陰からそっと様子を伺う。
学ランの制服、傷だらけの不良たち。

そんな人たちに囲まれているのは、思っていた通り七原晶だった。
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