その溺愛、危険度99%につき
……足がね、勝手に動くの。
いてもたってもいられなくて、動いちゃうんだよ。
いらないお世話かもしれないけど、自分の正義感に体が反応しちゃうの。
『──じゃあもう、そのままでいいよ。』
雨の路地裏、薄ぼんやりとした記憶。
私を抱きかかえて歩く傷だらけの男の子。
それは静かで、暖かい声だった。
「……っきて!!」
不良の1人を思いっきり突き飛ばして、私は座り込んだままの晶の腕を引いた。
周りが状況を理解できないうちに逃げ出そうと思ったのに、っもう、なんで早く立ってくれないの!
「朔に会いたいんでしょ!?」
「は……?」
「だから昨日会いに来たんでしょ!!会いに行くよ!」
力いっぱい晶を引っ張る、けどびくともしない。
何この馬鹿力……!!