その溺愛、危険度99%につき
「女に助けられるなんて恥ずかしいなぁ七原!!」
その声にハッとする。
どこから持ってきたのか、鉄パイプが私と晶目がけて振り下ろされているところだった。
「……笑えねぇなぁ」
それは、一瞬のことで。
瞬きをしたその直後、鉄パイプを持っていた不良が苦しそうに地面に横たわっているんだから、目を見開いてしまう。
「つまらない冗談言うなよ」
横たわる不良の胸に片足をのせて、鬱陶しそうに晶はそう言った。
コイツらの世界なんて、私にはよくわからない。
わからないけど、晶は強い。そう思った。
「……行くよ!」
不良たちが呆気に取られている間に、晶の腕をとって路地裏を駆ける。
朔に会いにいくまえにまずはアイツらどうにかしないとっ。
とりあえず隠れて諦めてくれるのを待とう。