その溺愛、危険度99%につき
「離せ」
物陰に隠れたところで、晶に手を振り払われた。
相変わらず私に対して悪意しかない。
無表情で、冷たい印象。
本当に朔にしか興味がないんだなって、思う。
「おまえ、なんなの。襲われにきたの」
「はぁ?違うしっ。バカじゃないの!?」
ていうかそんなとこ突っ立ってたら見つかるでしょうが!早くしゃがんで!
学ランの裾をぐいーっと下に引っ張る。
「……って、アンタも怪我してんじゃん!」
晶の手のひらが赤黒く染まっている。
どこかで切っちゃったのかな……さっきも何かが割れた音がしたし、ビール瓶か何かのガラスで切ったのかも。
「手、見せて。絆創膏はってあげる」