その溺愛、危険度99%につき
晶を見上げてそう続けると、案外簡単にパッと手が離れた。
自由になった右手をさすりながら息を吐く。
手首、折れるかと思った……。
また手を出される前に晶に絆創膏貼っとこう。
大きい絆創膏。
私が首に貼っているものと同じもの。
晶の手のひらを見ながら呟く。
「そんなに強いなら、この力、誰かを守るために使ったらいいのに」
……って、またこんな生意気なこと言ったら何されるか……っ。
「……きもちわりぃ」
無表情のまま、晶は小さな声でそう言った。
「おまえ、誰にでもこうなの」
「"こう"ってなに……」
「説教たれたり、体張って庇ったり、ばんそーこー貼ったり。おまえに噛み跡つけた奴に、なんでこんなことすんだよ」
「……私が、そうするべきだと思ったから。」