その溺愛、危険度99%につき

たぶん、根っからの世話焼き気質なの。
仕方ないでしょ。今さらどうしようもできないの。


真っ直ぐに晶を見上げる。

視界がぐらりと揺れたのは、その時だった。



「……っ、」



頭が、重い、痛い。
地面に手をついて、ぎゅっと目をつぶる。

やばい、今になって体が動かなくなってきた。
暑い……いや、さむい。



「なに、」
「ごめ、なんでもない、ただの風邪」

「は……」

「おい七原!!隠れてねぇで出てこいよ!」

さっきの不良たちの声がすぐ近くで聞こえる。

私たちのこと探してるんだ。
あのまま諦めてくれればよかったのに……。


晶がいくら強いからって、さすがに1人じゃ無理があるだろうし、私はといえば熱のせいでまともに動けやしない。
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