その溺愛、危険度99%につき
どうしよう。どうしよう。どうしよう……
「──おまえは、ただのばかだよ。」
その瞬間、ふわりと香水の匂いがした。
昨日は気づかなかったけど香水とかするんだ。
私を抱きかかえる晶の胸の中で、そう思った。
「……意外、アンタ、こんなことできるんだ」
壁に背中を預けて座り込む晶。
ぎゅっと、痛いくらいに私を抱きしめるから、少し笑ってしまう。
「……スマホ、」
「え……?」
「スマホの電源、入ってんの」
「……切れてないけど……」
「なら、問題ねぇよ」
肩で息をしながら、その意味を必死に考える。
けど、ダメだ、頭、うまく働かない。
「……俺に、手足引きちぎってでも自分のとこに置いておきたいって思う奴がいたら、スマホにアプリかなんか仕込む」
「は、」
「アイツは俺に似てるから、どうせ俺と同じこと考えるんじゃねぇの」