その溺愛、危険度99%につき




「──起きた?」



見慣れない天井、柔らかい毛布。
知らない景色に違和感を感じるけど、頭が痛くてなにも考えられない。


……私、路地裏にいたはずなのに……。


目だけを動かして声のしたほうを見ると、朔がいた。
ベッドの横に椅子を置いて、じっと私を見ている。

膝に肘をついて、前屈みの体勢で指を組んでいるのが見えた。



「……あ゛、っ」



やば、喉が焼けるように痛い。
ゴホゴホと咳き込む私。

まさかこんなに酷くなるとは思わなかった。
なんとか起き上がって、あたりを見渡す。

必要最低限のものしか置かれていない、暖かみのない部屋だった。

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