その溺愛、危険度99%につき
そう言ったら、朔の笑い声が微かに聞こえてきた。
《俺の全部を知ったら、澪は俺から離れていきそうだから。保険だよ》
「……」
また、寂しいこと言う。
どうしてそんな風に言うんだろう。
ねぇ朔、いまどんな顔をしているの?
《……あ、ごめん、もう充電きれそう》
「え……っあ、ちょっと待って!」
《なに》
「あの、違うならそれでいいんだけど……もしかして私たちって、中学の時に会ったことある?」
《……》
朔の答えは返ってこなかった。
プツ、と切れた通話。
スマホの画面をじ、と見つめながら眉を寄せる。
『俺の全部を知ったら──』
わかんないじゃん。そんなこと。
どうして私が離れていくって思うのよ、ばか。
そんなことは、私に全部曝け出してから考えればいいんだよ。