その溺愛、危険度99%につき

「あの時つけてた絆創膏、キスマーク隠すためのものだったんだぁ」って、ほわほわと笑う。

そんな奈子に、ぶわぁっと赤くなる私。



「は、恥ずかしいからやめて……それに、さっきも言ったけど、なんていうか、私は朔の"内側"には入れてないなって……」

「あぁ……"俺の全部を知ったら"ってやつだよね?榛名くん、どうしてそんなこと言ったんだろう」

「あいつ、もともと掴めない奴だしなぁ」

「澪ちゃんのお母さんが言ってたことと、澪ちゃんの記憶のことも、ちょっと気になるよね」

「うーーん……」



なんか、次から次へと考えないといけないことが降ってきて疲れるなぁ。

でも……



「でも、"よくわからない"で終わらせちゃダメな気がする。断片的な記憶は、何かのきっかけで全部思い出せるかもしれないし。朔のことも、このまま何もしないのはどうなんだろうって思う」



どうしてあんなことを言ったのか、何を思っているのか、知りたいの。朔のことを。

< 194 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop