その溺愛、危険度99%につき

私が出来ることなら何とかしてあげたい。だから、もう寂しいことは言わないでほしい。


「もしかしたら、榛名くんは自分に自信がないのかもしれないね」
「……あの朔が?」

「うん。澪ちゃんに知られたくない自分がいて、そんな自分を受け入れてもらえる自信がないんじゃないかなぁ」


「私の想像だけどね」なんて、頬杖をつきながら奈子はそう言った。

もし、奈子の言う通りだとしたら、思いつくのは不良時代の朔のことだけど……。
でも、朔が喧嘩っ早い奴だってことは、もうとっくのとうに知ってることだよ。

朔はなにを見せたくないの……。



「澪ちゃんは、榛名くんがどんな人でもそばにいたいって思う?」



……もっと、躊躇するかと思った。
でも、自分でもびっくりするくらいに、するりとその言葉は頭に浮かんだ。
< 195 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop