その溺愛、危険度99%につき

もう、どうでもよくなって、されるがままに殴られてもいいかもしれないと思った。
十分体に傷は負っていたけれど、それでもいいと思った。



『来てっ……!!』



だらりと下ろした腕を、誰かに引っ張られたのはその時だった。


見慣れないセーラー服、知らない女。
見たこともない女が、俺のことを引っ張ってる。

路地裏の入り組んだ道をどう進めばいいのか困惑しながら、俺を引っ張っていた。

どうしてそんなことをするのかわからなくて、この状況に頭が追いつかなくて、その腕を思い切り振り解いた。


『触んなよ、うぜぇな』


雨に濡れた前髪から鋭く睨んで見せても、まるで動じない。



『あの人達と仲間じゃないですよね?酷い怪我してるし……何もかも諦めてるように見えたから、その、いてもたってもいられなくて』
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