その溺愛、危険度99%につき
『だから?おまえには関係ないだろ』
無視して歩き出そうとした時、体中が痛んだ。
思わず壁に手をついたけれど、なかなか痛みは治らなかった。
ずるずるとその場にうずくまる俺に、女が駆け寄ってきた。
『大丈夫ですか……!?』
『っ……』
気づいたら、その場に転がっていた釘を手にしていた。
鬱陶しかった。その気遣いが、正義感が。
強く引っ掻くようにして女の太ももに傷をつけた時、女は声すら出さなかった。
突然の痛みに顔を歪ませながら、俺を見てきた。
『何度も言わせるなよ。俺に触るな』
『でもっ、このままじゃ、』
『……どうでもいいだろ。俺のことなんか』
その時、パンッ、と乾いた音が路地裏に響いた。
音が響いた瞬間、自分の頬がじんわりと熱くなって、その熱さは次第に痛みに変わった。